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コシノジュンコさん 原点から現点  過去最大規模の展覧会

 

世界的ファッションデザイナーのコシノジュンコ氏の過去最大規模の展覧会『コシノジュンコ  原点から現点』が、あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で、11月23日(木)~1月21日(日)まで開催されるのに際し、22日、報道関係者向け内覧会があり、コシノジュンコ氏が登壇して、同展への熱い思いを語った。

 

コシノジュンコ氏より皆様へのコメント

「せっかく大阪でやりますので、まぁ短すぎるということでなくて、おそらく初めての体験をすると思いますので、初めてというのは始まりと一緒ですから、何かが始まっていくと思いますのでできるだけいろんな人に関係なく、ファッションなんて知らない人でもいいし、興味ない人でもいいし、見たら何かが始めっていくと思いますので、ぜひ周りの人にもおっしゃってお越しください」

 

 

コシノジュンコ氏は大阪府岸和田市に生まれ、1960年に新人デザイナーの登竜門とされる装苑賞を最年少で受賞。以後東京を拠点にファッションデザイナーとしての活動をスタートさせる。1978年、パリコレクションへの参加を皮切りに世界各地でショーを開催。高い評価を得る一方、近年においてその創造の対象は服飾デザインの領域を超え、インテリアや食、花火のデザイン、野外エンターテインメントのプロデュースなど、常に新たな境地を切り開いてきている。本展は、今もなおモードの先端を走り、新たな想像を繰り広げるコシノジュンコ氏の活動の全貌を紹介する過去最大規模の展覧会となっている。衣装やデザイン画をはじめ、写真パネルや映像演出など約200点を通してその魅力に迫る、コシノジュンコ氏の集大成となる本展にぜひ足を運びご覧ください。

 

 

コシノジュンコの「原点」

 

岸和田高校の時に描いた絵画。大阪市立美術館に足繫く通ったという。
岸和田高校の時に描いた絵画。大阪市立美術館に足繫く通ったという。
1972年から2年間資生堂の企業文化誌『花椿』の表紙用衣装デザインを担当します。その仕事ぶりが評価され、1974年には資生堂の主力ブランドでもあった「ベネフィーク」のシリーズ広告用衣装デザインも手掛けました。モデルである山口小夜子の個性を生かすため、彼女の魅力を最大限引き出す衣装を、舞台設定も含めて提案した、
1972年から2年間資生堂の企業文化誌『花椿』の表紙用衣装デザインを担当します。その仕事ぶりが評価され、1974年には資生堂の主力ブランドでもあった「ベネフィーク」のシリーズ広告用衣装デザインも手掛けました。モデルである山口小夜子の個性を生かすため、彼女の魅力を最大限引き出す衣装を、舞台設定も含めて提案した、

 

【左】装苑賞受賞作品 1960年

 

【右】文化服装学院 花の9期生(※1978年に撮影)

※左から金子功、松田光弘、黒田明子、高田賢三、コシノジュンコ、加藤正和

 

文化服装学院は、コシノが入学する前年に男子生徒への門戸を開きました。右から2番目がコシノですが、他のメンバーにもご注目ください。高田賢三(KENZO)、松田光弘(NICOLE)、金子功(PINK HOUSE)ら、卒業後自身のブランドを立ち上げた錚々たる顔ぶれが!コシノは「服飾を一生の仕事にするという目標を持った彼らと切磋琢磨したことが、自身の成長へと繋がった」と当時を振り返ります。

 

コシノジュンコがデザインした日本万国博覧会(70年大阪万博)のパピリオンユニフォーム3点を展示

 

日本万国博覧会は、「人類の進歩と調和」をテーマに3月15日~9月13日までの183日間開催され、のべ6400万人を超える人々が会場を訪れました。大阪万博の会場を彩ったのは、華やかなユニホームに身を包んだガイドたち。デザインを手掛けた気鋭のデザイナーたちとともに、コシノは最年少でこのプロジェクトのメンバーに抜擢されました。

 

コシノジュンコの「対極」

 

1980年代以降、コシノは「アール・フュチュール(未来の芸術)」という表現に取り組み始めます。これは、地球やそこに生きる人間、太陽、月、大気など宇宙を構成するすべてのものを表現しようとする壮大な試みでした。

これらを表すものとして生み出された「対極」というコンセプトは、今日に至るまでコシノのデザインの根幹を成し、新たな創造を続ける重要な要素となっています。

 

宇宙空間に存在し対極にある2つは、相反しながらも影響し合い新しい価値を創造していくと考えたコシノは、宇宙という完全なる創造物を象徴する「円」、人間がつくり出す合理的なものを象徴する「四角」、方向を示す「三角」を基調にしながら、一着の中に「和と洋」「光と陰(昼と夜)」「大胆さと繊細さ」など対極にあるものを共存させることで、この世の万物の摂理を表現しようとしたのです。世界は異なるもの同士のバランスでできている。それを服で表現しようとしたのが「対極」というコンセプトなんです。

 


 

コシノジュンコの「現点」

 

 

ー 新たな創造に挑み続ける ー

 

コシノはスポーツユニフォーム、オペラやブロードウェイ・ミュージカルなど舞台衣装の分野にも活動の幅を広げていきます。その中でも、和太鼓エンターテインメント集団 DRAM TAO の舞台衣装は2012年からデザインを手掛け、これまでに制作された衣装は累計数千着にも及びます。

鍛え上げられた身体に沿うデザインでありながらも動きは妨げず、彼らの魅力を最大限引き出すことを心掛けてデザインされたコシノジュンコの衣装は躍動感あふれ、いまや世界へと羽ばたき人々を魅了する彼らのパフォーマンスに欠かせない要素となっています。会場では、約30着の衣装と映像演出で、コシノと DRAM TAO が創り出す唯一無二の世界を紹介します。

 

 

能+ファッション ”継承される伝統と現代に融合”(2020)
能+ファッション ”継承される伝統と現代に融合”(2020)

継承される伝統と現代の融合

 

2015年、京都国立博物館  平成知新館で特別展覧会「琳派誕生400年記念   琳派  京を彩る」が開催。琳派400年記念祭の呼びかけ人でもあったコシノジュンコは、展覧会のオープニングイベントとして「能とモード」をテーマにファッションショーを行いました。

コシノジュンコは、京友禅や西陣織の伝統的な技術を活かしながら、独特の感性で着物やドレスをデザイン、さらに衣装をまとったモデルたちが、能のお囃子

に合わせランウェイをすり足で歩くというこれまでにない演出を提案し観客を驚かせました。

これ以降もコシノは自身のデザインをとおして伝統を守りながら新たな発想で日本文化の魅力を伝える活動を国内外に発信し続けています。

 

能+ファッション ”継承される伝統と現代に融合”(2020)
能+ファッション ”継承される伝統と現代に融合”(2020)

能+ファッション ”継承される伝統と現代に融合”(2020)
能+ファッション ”継承される伝統と現代に融合”(2020)

 

【展覧会概要】

 

展覧会名:コシノジュンコ 原点から現点

会  期:2023年11月23日(木・祝)~2024年1月21日(日)

会  場:あべのハルカス美術館

     (大阪市阿倍野区阿倍野筋1‐1‐43 あべのハルカス16階)

開館時間:火~金/10:00~20:00 月土日祝/10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)

休刊日 :2023年11月27日(月)、12月31日(日)、1月1日(月)

観覧料 :一般  1,700(1,500)円/大高生  1,300(1,100)円/中小生500(300)円

     ※価格はすべて税込み。※( )内は15名様以上の団体料金。

        ※障がい者手帳をお持ちの方は、美術館チケットカウンターで購入されたご本人と付き添いの方1名様まで当日料金の半額。

 

主 催:あべのハルカス美術館、毎日新聞社、MBSテレビ

共 催:タカラベルモント、三菱商事、NKB、東武トップツアーズ

後 援:大阪市

特別協力:JUNKO  KOSHINO  Inc