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天神祭 宵山・鉾流し神事

 

大阪の夏を代表する「天神祭」の宵宮・鉾流し神事が、大阪天満宮及び界隈、大川、旅所などで行われた。

 

「天神祭」の始まる24日朝、大阪天満宮の本殿で「宵宮祭」が斎行され、8時30分頃、白木の神鉾を手にした神童や宮司、供奉人ら約200人の行列が天満宮の表門を出発。氏地を巡行しながら、旧若松町の鉾流神事斎場へ。舟に乗り込んだ神童らが神鉾や穢れを移して封じられた菰(こも)を」大川に流した。今年度の神童は、西天満小6年の田川瑛都君(12)。鉾流神事斎場

 

この鉾流し神事は、大阪天満宮創建(ご鎮座)の翌々年の天暦5年(951)に始まったと伝えられ、社頭の浜から流された神鉾が漂着した地を斎場と定めて、そこへ神様をお迎えする行事である。

鉾流し神事は「穢れ」を祓い、また年に一度、神様が氏地を巡行される前に神鉾を流してその行き先を占うという意味がある。この神様のお出ましをお祝いする。そのような意味を持って「天神祭」が始まったといわれている。ただ残念なことにその起源の鉾流し神事は、寛永21年(1644)には常設の御旅所が設けられ、鉾を流す必要がなくなって神事も途絶えてしまう。しかし、昭和5年(1930)に祭事は復活されて、今に古式ゆかしく斎行されている。

 

翌25日は「天神祭」本祭。昨年には、一部無声にて「陸渡御」が斎行されたが、今年新型コロナウィルスも5類に引き下げられたこともあって、4年ぶりに「船渡御」と花火が行われる。

 



 

かつて、神鉾が流れ着いた氏地の一つ、千代崎行宮(あんぐう)(大阪市西区)でも宵宮祭が行われる。

 


 

翌25日の本祭りでは、4年ぶりに船渡御と花火が再開される。