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平成中村座 姫路城公演 製作発表

 

2023年1月30日(月)に、東京都内(時事通信ホール)にて「姫路城世界遺産登録30周年記念  平成中村座姫路城公演(関西テレビ放送開局65周年記念事業)の制作発表会が開催されました。

 

 

ブラックのスーツに身を包み、引き締まった表情で登壇したのは中村勘九郎さん、中村七之助さん。

 

「姫路城世界遺産登録30周年という記念すべきときに『平成中村座』を選んでいただいたことを感謝していますし、うれしく思います。ありがとうございます」という勘九郎さんの感謝の言葉から会見がスタートしました。

 

世界遺産であり国宝でもある姫路城という特別な場所での公演ということで、勘九郎さんは公演が決まる以前にも姫路城を姫路城を訪れたことがあると話し、「ここで中村座ができたらいいなと思っていた」と憧れの地ともいえる場所での公演の期待を膨らませている様子。

 

七之助さんも「姫路城の前という中村座にとって初めての場所であり、中村座の歴史に新しい1ページを加えられることがうれしく思います。土地の力をお借りして、本当の芝居をお届けしたい」と続けました。

 

演目は中村座として初めて取り組むことになる4本。

 

「姫路城で公演ができるかもしれないというお話をいただいたときから、姫路城の天守には刑部姫が祀られていること、城内には伝説のお菊井戸があることは存じていましたので、必ずや『播州皿屋敷』『天守物語』はやらなければと思っていました」と勘九郎さん。ご当時もご当地、姫路城にまつわる演目を中村座流に表現するのに意欲的です。

 

「ご当地のものだから『天守物語』をやろうよと口では簡単に言えたんですが、いざ演目として決まってから見ると、とんでもないものを選んでしまった……という気持ちです。けれど、坂東玉三郎の叔父様が演出に入ってくださり、手取り足取り教えてくださってます。素敵な『天守物語』をみなで作っていきたい」と意気込みを披露しました。

 

ハッピーエンドの『鰯売戀曳網』、心が軽くなるような『棒しばり』についても。

 

「父や祖父が大事にしてきた中村家にとって大切な演目。趣向を凝らした姫路城特別バージョンができればいいなと思っています」と勘九郎さん。

 

公演期間中に不惑の年、40歳を迎える七之助さんに意識していることはあるかという質問が飛ぶと、

 

「富姫に歳のことは聞かないで」という回答で笑いを誘いつつ、「節目の年であり、はじめて中村座が行く土地でもありますので、新たな歌舞伎人生のよき第一歩にしたい」と力強くコメント。

 

コロナ禍を経験し、見る者にとっても、演じる者にとっても、芝居という心躍るライブならではのイベント。勘九郎さんは、その時期になってみないとわからないけれどという前置きのもと「芝居の世界も徐々に日常を取り戻せるのではないかと思っています」と、本来の中村座の公演ができることを楽しみにしているコメントで締めくくられました。