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奈良・春日大社 節分万燈籠


 

2月3日日没~、春日大社(奈良市)では、「節分万燈籠」が催されました。

 

石灯籠約1800、釣燈籠1200基、合せて約3000基にも及び、一灯ずつに浄火を献じて、厄除をはじめ新春の諸願成就が祈願されます。また燈籠の障子は、毎年正月前と八朔(旧暦8月1日)前に貼り替えられる習わしでした。

記録によれば、元禄15年(1702)には2153とあり、暫時増加されていっています。中でももっとも古いのは木製釣燈籠で、長歴2年(1038)2月に関白藤原頼通が寄進した瑠璃(るり)燈籠。石燈籠では保延3年(1137)6月に藤原忠通が寄進した柚木(ゆずき)燈籠です。記録には、興福寺大乗院の尋尊僧正の日記で、今から500年余り前の文明7年7月28日、「祈雨のため、南都の郷民、春日社頭から興福寺南円堂まで、燈籠を懸く」とあり、当時は木の柱に横木をつけ、それに行燈か提灯の様な手作りの仮設の燈籠を懸け行っていたと考えられます。故に浄火を献じて神様に様々な祈願をすることが万燈籠です。

これら春日の燈籠には、明治維新までは灯明田として1250石の知行があり、灯籠奉行が置かれ、奉行2人に同加役3人のもとに45人がこれを支配したといいます。燈籠の中には、戦国大名らが献灯されたものも多くありますので、探してみるのもいいかもしれません。